『旅』と『仕事』vol. 1

こんにちは。クラフトジャーナルのエノキです。私自身がジャーナルコラムを書くのは初めてです。
何について書こうかなと考えて思いついたのは『旅』。

学生の頃、会社員時代、そして今も旅に出るのはとても好きだし、結構色んなところに旅したのではないかと思います。
プライベート、お仕事をひっくるめて、海外では、フランス・イギリス・スイス・ドイツ・スペイン・トルコ・ギリシャ・アメリカ・オーストラリア・インドネシア・シンガポール・タイ・中国(香港含む)・韓国…あたりに行きました。

バックパッカーのような経験は無いし、バカンスと言えるような長期での滞在でも無いけど、それぞれにどれも面白く、そして時にはかなりの恐怖体験もしたり。個別の旅については、また改めて書く機会があればその時に。

クラフトジャーナルは業種としてはインテリア業になりますが、私自身、過去の旅経験は今の自分の糧になっているとつくづく思うことがあります。今回お話ししたいことは、そういう過去の『旅』と『仕事』について、どう関係があるのか。

大きく2つ。

まず1つ目。

異国の地で観たもの触れたものが、自分の思考のベースになることがあります。
それは、単にモノだけではなく、例えば街並みであったり公園であったり何気ない景色だったりもしますし、たまたま入ったレストランの雰囲気だったり、そこのサービスだったり、灯りの使い方であったり、ざわざわとした人の笑い声だったり。

楽しい・居心地が良い・静寂・歓喜・いろいろな感情はその場の空間と人と提供しているモノとサービスで構成されています。もちろん、それ以外の要素もたくさんあります。

知らない異国の地にいると、普段とは違って非常に鮮烈な印象が残り、何年かたってもふと思い出したりします。
ディテールにまで拘るハイブランドの素晴らしさもあれば、ざっくばらんなユニークさが心地よくて人を惹きつけている場所もあります。食べ物もライフスタイルも好きなテイストも千差万別、十人十色です。

カラートーンで習った色の持つイメージや補色の関係も、それはそれで知っておくべき知識ですが、もしかしたら、この色にこのカラーって合わないのでは?と思うカラーの組み合わせが実はとっても綺麗だったり。この素材にあの素材をもってきたら、めちゃくちゃ面白いって気付かされたり。

そう、正解は無い!ということを知ったのです。

そう思うと、コレとコレでは合わないではなく、コレとコレを合わせるには、こうすると良いのでは?
という発想に変わってきます。お客様の好きなもの、居心地が良いものを、空間にストンと落とすためには、一見合わない?と思ったとしても、むしろそれが良いという空間になるアイデアやモノを提案する。

それが大切な気がするのです。
そして、私自身もカタログの写真みたいに全部が揃っている非の打ちどころのない空間はあまり好きではありません。
旅で観たもの感じた経験があってこそ、相手にそういうのも素敵だね!って、ちゃんと言える。そしてあとは経験と知識で空間を整えるということでしょうか…。

色んな空気感や空間を見た経験が生かせるよう日々精進です。

これが1つ目の理由。

vol. 2へつづく


 
クラフトジャーナル代表
CHIE ENOKI
時代の古い新しいにこだわらず、旅先で出会った空気感や、ひとのモノづくりが見えるストーリーのあるプロダクトやグリーン植物、アート作品などをセレクトした空間演出とインテリアコーディネートを多方面で企画。